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The Bitch (ザ、ビッチ)
第5章 2024年2月24日土曜日…
 10

「はぁっ、あっ、うっ…」
 和哉はそう叫び、わたしの中で2度3度とブルブルと激しく震えながら果てていった。
 
「はぁっっ…」
 そしてわたしはそのままエクスタシーの大きな波に飲み込まれ…

「…はぁぁ……ぅぅ…」
 意識朦朧としながら絶頂感の余韻の底へと沈み込んでいく。



「はぁ、ふぅぅ…」
 多分、時間にしたら僅かに1、2分しか経ってはいないであろうが…
 和哉はそんな吐息を漏らしゆっくりと抜いてきた。

「…ん…んん…」
 そんな動きにわたしは少し反応し、朦朧としていた意識もゆっくりと覚醒してくる。

「あ…」
 そしてその声により、股間に垂れ、溢れてきた精液の流れ落ちてくる感触に気付いたわたしは、枕元のティッシュケースにゆっくりと手を伸ばしていくと…

 カサカサ、シュッ、シュッ、シュッ…

「あ、ありがとう」
 和哉がティッシュを3度、引抜いて手渡してくれた。

「あ、あら、も、もぉ…」
 だが、そのティッシュペーパーは全然足らない…
 いや…
「もぉ、凄い量ね…」
 そう、全然足らないくらいの大量の精液が、膣から溢れ、流れ落ちてきていたのだ。

「もぉ…
 それに、勝手に中出ししてぇ…」

 わたしは怒ってはいない…

「あ、す、すいません…す…つ、つい…」

「もぉ、ついじゃないわよぉ…」

 わたしは本当に怒って言ってはいない…

「す、すいません…」

「もぉ…ホントにぃ…」

 わたしは全然、怒ってはいない…

「すいません…す」

「もぉ…」

 そう、その『もぉ…』で終わってしまうのだ…
 だって、多分、おそらく、わたしは、不妊症だと思われるから。

 過去、長年…
 何度も、何度となく、こうしてナマでセックスをし、抱かれ、中出しされてきていても…
 一度も無いのだから。

 もちろん、意識のあるワンナイトや、完全に心を許せる以外は基本的には避妊、つまり、コンドームを使用させる、いや、もちろん使用させてきていた。

 そしてこうして心許せる相手には流れと勢いでナマの中出しも多々あったのだが…
 何も無い、無かったのだ。

 だから、多分、おそらく、いや、診断は受けてはいないだけで、間違いなくデキない、不妊症なのだと思っている。

 だから…
 怒ってはいないのだ。

「もぉ…」

 でも、たまに、こうして怒るフリをする…



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