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The Bitch (ザ、ビッチ)
第6章 2024年3月14日木曜日
9

 3月13日の夜…

 なぜか和哉、ビッケから、いや、あのわたしをさんざんからかった3日前の10日以降から…
 ラインも電話も、もちろんメールも、何も音沙汰が無い、ううん、無くなってしまっていた。

 それまでは、今までは、いや10日の夜までは、ほぼ毎日のように、そして2日と間を空けずにラインだけは必ず着ていた…
 それをわたしが敢えて連続して既読スルーをすると、必ず着信が入るくらいにマメに連絡があったくらいなのだが。

 だけど…

 今日まで…

 出張出発予定日の13日…
 そして今は午後7時過ぎ…
 全く連絡が無い。

 どうせまた、わたしを焦らす、弄る、ビッケなりの作戦なのだろう…
 いや、そうに決まっている。

 そう思い、そう分かっているのに…

 分かっているくせに…

 こうしてイライラと、いや、ソワソワと焦れている自分のこの気持ちがイヤに感じていた。

 まんまとビッケの術中にハマってしまっている自分に腹が立っていた。

 たかが3日じゃない…
 そう思うのだが、もう一人の自分が突如現れて…
『3泊だから、早くても17日までよ…』
 と、突然、そう心の中で囁いてきたのだ。

 あ、そうか17日か…
 
 あと4日もあるのか…

 最近は、あのオックン絡みの出来事によりビッケ、いや、和哉への想いを再認識してしまってからは…
 なんだかんだと理由を付けてはビッケを呼び出し、週に約3日はシて、いや、抱かれていた。

 だから10日からだから、ちょうど1週間空いてしまう…

 いや、たかが1週間、それも生理中だし…
 そんな事は今までも何回もあった。

 だけど…

 だけど…

 こんなラインもメールも電話も2日以上無かったという事は…

 無い…

 そしてこんな風にイライラと焦れ、またソワソワと揺らいでいる自分に無償に腹が立っていた。

 だってついこの前のわたしは…

 酒場で男を漁り…

 ヤッては捨て…

 ヤッては逃げる…

 そんな事を繰り返していたヤリマン女のクソビッチだった筈なのに…

 これじゃぁ、9歳も年下の男に恋焦がれている、そこいらのデレ女に成り下がったみたいだ…
 と、それが悔しく、そしてそんな自分に無償に腹が立っていた。


 ビッケ…

 和哉はセフレでペットの筈なのに…

 いつの間にか…


 
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