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第2章 第１話　村長のお孫さんのタカヒロくん（２３歳）

　村長の息子さんでもあるタカヒロくんのお父さんは大学進学時に上京して以来ずっと東京都内で暮らしており、タカヒロくんは日本医科大学の医学部医学科を卒業して開業医になったお父さんに命じられて幼い頃からずっとお医者さんになるための勉強を続けてきました。

　中学受験ではあの有名な武蔵中学校に合格できたタカヒロくんでしたが高校時代にバスケ部の活動で精神的に病んでしまってからは勉強が上手くいかなくなり、東京都内の予備校に通って浪人生活を続けたものの５年目の入試でもどこの医学部医学科にも合格できなかったタカヒロくんは転地療養を兼ねておじいさんの実家に戻ってきたのでした。

　今時は予備校の授業もオンラインで受けられるので受験勉強には支障がないそうですが、大都市圏での生活からいきなり僻地での生活に移ったストレスでかえって病んでしまったタカヒロくんのことをおじいさんである村長さんはずっと心配していたそうです。


「おじいちゃんが僕のことを心配してこの村に呼んでくれたのに、僕は村の集まりにも一回も顔を出せなくて……こんな自分が本当に申し訳なくて……」
「タカヒロくん……」

　本来は真面目で責任感の強い性格であるタカヒロくんは村の皆さんに溶け込めない自分自身を強く責めていて、私はボサボサの髪の毛のまま泣きじゃくるタカヒロくんに愛しさを感じて彼の頭をＦカップの胸に抱き寄せました。