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君に愛されて重かった 三流力士と限界キャバ嬢
第1章 第1話 限界キャバ嬢、ミズキ様
夜7時からのシフトに備えて更衣室でいつものドレスに着替えていると、1歳下だがここでは私より1年先輩になる22歳女子大生のサクラちゃんが話しかけてきた。
「ねえねえミズキちゃん知ってる? 今日9時からこの店にお相撲さんが来るんだって! 昔からたまに来てるらしいけど私お相撲さんの相手するの初めてなんだよね~」
「えっ、キャバクラってそんなお客さんも来るんですか!? それは何というか……」
「しかもしかも、ここだけの話なんだけどお相撲さんの中にはあの有名な|夜赤龍《よるせきりゅう》さんもいるらしいの! 私こんな時に備えて色紙ロッカーに隠してたんだよ」
「へえー、それはすごいですね。私そもそもお相撲って全く見たことないですけど……」
東京都内の名門美術大学の一つ、多摩美術大学の情報デザイン学科を去年卒業した23歳の私の今のお仕事は新宿区にあるキャバクラ「グラビティ」に務めるキャスト。
お母さんが不倫相手と蒸発してから警備員として私と弟2人を育て上げてくれたお父さんに私立大学の学費を払って貰うのが申し訳なくて始めたキャバ嬢のアルバイトだったけど、ゲーム会社にもIT企業にも就職できなくて未だにキャバ嬢で生計を立てている現実は直視したくなかった。
そんな私だけど……
「ねえねえミズキちゃん知ってる? 今日9時からこの店にお相撲さんが来るんだって! 昔からたまに来てるらしいけど私お相撲さんの相手するの初めてなんだよね~」
「えっ、キャバクラってそんなお客さんも来るんですか!? それは何というか……」
「しかもしかも、ここだけの話なんだけどお相撲さんの中にはあの有名な|夜赤龍《よるせきりゅう》さんもいるらしいの! 私こんな時に備えて色紙ロッカーに隠してたんだよ」
「へえー、それはすごいですね。私そもそもお相撲って全く見たことないですけど……」
東京都内の名門美術大学の一つ、多摩美術大学の情報デザイン学科を去年卒業した23歳の私の今のお仕事は新宿区にあるキャバクラ「グラビティ」に務めるキャスト。
お母さんが不倫相手と蒸発してから警備員として私と弟2人を育て上げてくれたお父さんに私立大学の学費を払って貰うのが申し訳なくて始めたキャバ嬢のアルバイトだったけど、ゲーム会社にもIT企業にも就職できなくて未だにキャバ嬢で生計を立てている現実は直視したくなかった。
そんな私だけど……