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東京佐川お兄さん事件 引きこもりお嬢様の誰にも言えない秘密
第7章 エピローグ 私の大好きなお兄さん
「志信さん、おかずを温めている間に今日のノート見てもいいですか?」
「全然いいですよ。これです」

 結婚してからお兄さんと私は家庭内で交換日記をやり取りするようになっていて、私は今日も日記に自分の思いを書いていました。


>気持ちの落ち着き:3
>気持ちの辛さ:2
>食べたい度:4
>一言:お給料が先月から1万円も増えて嬉しかったです。


「最近は辛い気持ちは収まってるみたいでよかったです。食べたい度がちょっと高めですね」
「ごめんなさい。一人で健診に行っていると寂しくなっちゃって。今もちょっと食べたいです」
「やっぱり不安ですよね。我慢してるとお腹の子にもよくないと思うので、今かじってくれてもいいですよ」
「ありがとうございます。では少しだけ……」

 テーブルの真向かいに座っているお兄さんはそう言うと私にたくましい左腕を差し出し、日焼けした肌を見た私はたまらずお兄さんの左の前腕にかじりつきました。

 ごわごわとした肌に歯を立てるとお兄さんは少し苦しそうな表情をしましたが、私は傷口を保護するようにして歯型がついた前腕の肌を舌でぺろぺろと舐めました。

 そうしているうちに気持ちは落ち着いてきて、電子レンジの音が聞こえた私はお兄さんに頭を下げて晩ご飯のハンバーグを取りに行きました。

 しかし、お兄さんは席を立った私に駆け寄ると背中から抱きつきます。
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