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君が目覚めるその時に
第1章 ふたりを繋ぐもの
その部屋は天井も壁も床も白く、彩るものは窓をくっきりと浮かばせる青空と棚の上にひっそりと置かれたピンクの薔薇だった。
音はただひとつ、ピッピッピッ…という機械音だけ。
そしてこの部屋にいるのは、ふたり。
ひとりはベッドに横たわり、その体からはいくつかのコードやチューブが延びている。
それらはピッピッと音を出している機械に繋がれ、また同時にそのひとの命も繋いでいた。
もうひとりは、そのベッドの傍らにある椅子に腰かけて横たわりるひとの手を両手で握りしめている。
このひとの命が決して途絶えぬよう、今すぐにでも目覚めるよう強く祈りながら目を閉じて痩せた手を自らの額に当てていた。
ピッピッピッピッピッピッ……
無機質な機械音だけが響く部屋に重なるのはふたりの手と吐息…。
何秒何分何時間たったか…あるいはごく短い時間しかたっていないのかも意識せず、ただ祈るひとの耳に違う音が響いた。
音はただひとつ、ピッピッピッ…という機械音だけ。
そしてこの部屋にいるのは、ふたり。
ひとりはベッドに横たわり、その体からはいくつかのコードやチューブが延びている。
それらはピッピッと音を出している機械に繋がれ、また同時にそのひとの命も繋いでいた。
もうひとりは、そのベッドの傍らにある椅子に腰かけて横たわりるひとの手を両手で握りしめている。
このひとの命が決して途絶えぬよう、今すぐにでも目覚めるよう強く祈りながら目を閉じて痩せた手を自らの額に当てていた。
ピッピッピッピッピッピッ……
無機質な機械音だけが響く部屋に重なるのはふたりの手と吐息…。
何秒何分何時間たったか…あるいはごく短い時間しかたっていないのかも意識せず、ただ祈るひとの耳に違う音が響いた。