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ハッテンlove
第2章 姫野のバスケ
「靴下脱いで」
そう言うと、近藤くんは「脱いで」って言ったくせに、強引に僕の足くびに手をかけて、勝手に脱がせてしまった。
汗かいてるし、足臭いんじゃないか?なんて恥ずかしくなっちゃうじゃないか。
あ…でも、今の僕…もっさいから。多少、足が臭くても別にいいか。
「あーあ。すげー腫れてきたぞ」
促されて見ると、くるぶしが青くなって腫れている。見ちゃうと余計痛くなってくる。
近藤くんはテープを適当な長さに切ると、僕の足くびにぺたぺたと貼っている。
テーピングってヤツか。さすが現役ラガーマン。ラグビーに怪我は付き物だし、手慣れてるね。
最後に湿布を貼って、包帯でぐるぐる巻きにしてくれた。
「もしかして、テーピングするために来てくれたの?」
見上げて見ると、近藤くんが照れくさそうに笑った。
「先生いないこともあるし。クラスの中じゃ、一番俺がテーピングうまいって自信あったんだよ」
ふ…ふーん…。
そーなのかー…。
なんか胸がほわんとしてきたよ。ちょっと嬉しい。
思い出すなぁ。入試の時のこと。近藤くんは親切な子だなぁ。
「な…なぁ、姫野。お前…その前髪なんとかならねーの?」
近藤くんが声を少しだけ上ずらせて、言いにくそうに喋る。また俯いてるよ。
僕の前髪の話題なのに、なんでちくびのこと喋るときと同じ表情してんの?
「前髪長いと…視界悪いから、転びやすくなるし…」
慣れてるからいーの!このヅラは形見なんだから!
無視してたら、近藤くんは「じゃーな」って言いながら保健室を出て行った。
前髪…かぁ……。
この前髪っていうか、ヅラがなかったら僕…。
女の子からキモいって言われる代わりに可愛いって言われて。告白なんかされちゃったりして…。
ハッテン場みたく、ガチムチ系の男子からもモテモテのハーレムで。
多少の性格の悪さはカバーできるほどの美貌…。
でも、なんでだろう。長年擦り込まれたせいか…どこか怖い。
母が泣きそうな顔で被せたヅラを取るなんて……。
そう言うと、近藤くんは「脱いで」って言ったくせに、強引に僕の足くびに手をかけて、勝手に脱がせてしまった。
汗かいてるし、足臭いんじゃないか?なんて恥ずかしくなっちゃうじゃないか。
あ…でも、今の僕…もっさいから。多少、足が臭くても別にいいか。
「あーあ。すげー腫れてきたぞ」
促されて見ると、くるぶしが青くなって腫れている。見ちゃうと余計痛くなってくる。
近藤くんはテープを適当な長さに切ると、僕の足くびにぺたぺたと貼っている。
テーピングってヤツか。さすが現役ラガーマン。ラグビーに怪我は付き物だし、手慣れてるね。
最後に湿布を貼って、包帯でぐるぐる巻きにしてくれた。
「もしかして、テーピングするために来てくれたの?」
見上げて見ると、近藤くんが照れくさそうに笑った。
「先生いないこともあるし。クラスの中じゃ、一番俺がテーピングうまいって自信あったんだよ」
ふ…ふーん…。
そーなのかー…。
なんか胸がほわんとしてきたよ。ちょっと嬉しい。
思い出すなぁ。入試の時のこと。近藤くんは親切な子だなぁ。
「な…なぁ、姫野。お前…その前髪なんとかならねーの?」
近藤くんが声を少しだけ上ずらせて、言いにくそうに喋る。また俯いてるよ。
僕の前髪の話題なのに、なんでちくびのこと喋るときと同じ表情してんの?
「前髪長いと…視界悪いから、転びやすくなるし…」
慣れてるからいーの!このヅラは形見なんだから!
無視してたら、近藤くんは「じゃーな」って言いながら保健室を出て行った。
前髪…かぁ……。
この前髪っていうか、ヅラがなかったら僕…。
女の子からキモいって言われる代わりに可愛いって言われて。告白なんかされちゃったりして…。
ハッテン場みたく、ガチムチ系の男子からもモテモテのハーレムで。
多少の性格の悪さはカバーできるほどの美貌…。
でも、なんでだろう。長年擦り込まれたせいか…どこか怖い。
母が泣きそうな顔で被せたヅラを取るなんて……。