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ハッテンlove
第4章 誘拐サバイバル
ヴィーン…。
僕が運転する車はあらゆる障害物をすり抜けて、近藤くんに一周半の差をつけてゴールに辿り着いた。
近藤くんは「チッ」て顔をして、面白くなさそうにハンドルを叩く。

ゲームセンターってすごく楽しい!

狂楽の湯の駅を挟んで反対側に、ゲームセンターを見つけたから近藤くんを誘ってみた。

始めは近藤くんに手取り足取り教えてもらって。徐々に近藤くんにも勝てるようになってきた。

クラスの男の子達がよくこうやって遊んでるの、僕は少し憧れの目で見ながらも出来なかったんだよね。ヅラ被ってて、雰囲気がキモいから友達いなかったし。

もし…。もし、僕が入試の時から素顔で。二宮くんに意地悪してなかったら。
姫野葉月としても、近藤くんとこんな風にゲーセン通ったりする友達になれたのかなぁ?


近藤くんと共に朝を迎えるのは初めてのこと。近藤くん、いつも以上に優しかったし、なんかちょっと…しつこかったかな。愛撫が。
なのに一回しかしないし…。なんか変なの。

「なぁ、そろそろ俺行くけど」

時計を見ると十二時半。僕もそろそろ帰ろうかな。

「送っていこうか?」

近藤くんが俯きながら言う。言いづらいこと言う時はいつもこうなんだけど、送って行こうか?が言いづらいことなの?変なの。

送ってもらうとヒメと姫野葉月が同一人物ってわかっちゃうから、僕的には送ってもらわない方がいいんだ。

「大丈夫だよ」
「ちなみに…どのへん住んでるの?」

近藤くん、目をあさっての方向に向きながら尋ねる。
うー…ん。家か。家…。

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