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ハッテンlove
第6章 姫野との対決
テスト範囲が配られたプリントを二枚大目にもらってみた。
一枚は悠真の分で、もう一枚は…。

悠真はともかく、姫野が休みなんてこれまでなかったんじゃないかな。入学してからずっと休むことなく、ヤツは教室の片隅で怪しい雰囲気のまま佇んでいた気がするのだ。

姫野の住んでいるアパートの前で立ち止まる。あの時は大丈夫かよ?って思ったものの、日が明るいうちに見ると、昭和初期って雰囲気のある味のあるアパートだ。
ここでヤツがち…ちくびの開発なんかやってると思うと、なんだかなぁ…。

廊下を歩くとギシギシと軋む音がする。さて、あいつの部屋はどこだろう。
うろうろしていたら、腰の曲がったばあさんが奥の部屋から出て来た。

「あのぅ…ここに姫野葉月って高校生が住んでると思うんですけど。怪しいヘアースタイルで眼鏡かけた…」

ばあさんが「はて?」みたいな顔をするから、もう一度耳元で同じ台詞を言ってみた。

「あぁ…葉月くんか。それならそこじゃよ」

すぐ脇の部屋を指さされた。

「でも葉月くんなら、一昨日出たきりで帰って来てないねぇ」

一昨日!?
俺に会った日からずっと…?

まさか…あの後誰かと会ったのか?
もしかして、まっつん…?

胸にどす黒いもやっとしたものが広がり、慌てて打ち消そうとする。

「あぁ…それと、葉月くんの部屋に若い兄さんが来てたなァ…。偉いガタイがいい男前の…」

なんだと!?
まっつんもガタイのいい男前である。

「しばらく別のところで過ごすからって。ワシ一応、ここの管理人じゃから…」

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