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ハッテンlove
第6章 姫野との対決
「…苦手なのは英語」

お前がペラペラな英語。俺にはさっぱりわかんね。

父親がなにじんかわからないって言ってたけど、西洋人なら英語圏の住人である可能性が高い。
それで、こいつはこれだけ英語が堪能になったんだろうか。
オヤジに教わってっていうよりは、独学…?

確かお袋さんも亡くなってるらしいし。こいつが英語ペラペラなのって、オヤジさんに会いたいから…とか…?

孤独な姫野の身の上を想像して、それを頭から振り払った。
別に、同情したいわけじゃない。

「英語は、単語さえ覚えちゃえばあとはニュアンスでわかる…と言っても、文法めちゃくちゃじゃ読み解きできないけど。テスト範囲見てみようか」

悠真の教科書を広げる。なんだかんだ言って、俺の勉強も見てくれるようだ。
片隅にパラパラ漫画が書いてある、ふざけた教科書を真面目な顔をして読む。

うーむ。わかんね。

「どこが駄目?」
「この単語の意味わかんね」
「あぁ…それは慣用表現だよ」

姫野が丁寧に解説を入れてくれる。なるほど。わかりやすい。

「姫野せんせー、解けましたー」
「これ、始めから間違ってるよ。ちゃんと公式覚えたの?」
「忘れましたー」

できの悪い生徒を二人も抱えて、姫野せんせーも大変である。
でも…嬉々として見えるのはなぜだろう。

そんな姫野を見て、なぜか俺も嬉しくて。
やっぱ、こいつのこと好きなのかもって思った。

案外…俺も趣味悪いな。



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