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ハッテンlove
第6章 姫野との対決
姫野が三人分のコーラを持って部屋に帰って来た。なぜか猫のランマルまで付いてくる。
悠真の部屋でランマルを見るのは、長い付き合いの中でもかなりレア。ランマルはオヤジさんにしか懐いていないから。

「お前、なんでランマルと仲いいの?」

俺が姫野に近づくと、一瞬だけ姫野の身体が強張るのがわかった。

「…?」

まさか姫野…。お前まで悠真と同じように俺が暴力的とか思ってビビってんのかよ?
あ…あんな…あんなことまでしておいて?

ランマルまでシャーッと威嚇するように俺を睨む。
かなりショックだ。立ち直れない…。

「あ!ちょっと待って」

勉強再開の前に、悠真がスマホを取る。ピコピコと素早く打つと、すぐに問題集に取りかかる。
俺のポケットの中の携帯が振動した。

手に取ると悠真から。

『姫野ね、ガタイがいい男に接近されると怖いみたいだよ』

よくこの文、あの一瞬で打てたな。その早業だけは感心するわー…。

ガタイのいい男に接近されると怖い…?
一昨日は怖がってるようには思えなかったけど。むしろこいつの方から…。

姫野の方を窺うと、涼しい顔でランマルの喉をグルグル鳴らしている。
俺の視線に気づくと、取り繕った笑み(ていうか髪じゃまでわかんね)を浮かべたように見えた。

「近藤くんはどの教科が苦手?君の場合、苦手な科目を潰した方が順位は上がりそうだよ」

ビビってたのが嘘のような、穏やかで柔らかな声である。
こいつが喧嘩なんて想像もつかないな。右手の包帯が痛々しい。

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