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籠の鳥
第8章 玩具達
縛られた腕を胸の前でギュッと握ったまま 敦士さんの口付けに身を任せていた…

触れるだけだった口付けは、唇を啄む様な口付けに変わる…
敦士さんの唇が私の唇を啄む度に 背筋に柔らかな痺れが走った…


唇の感触を確かめる様に下唇の端から啄まれて 反対側までくるとそれは上唇に移動していく…

敦士さんの腕は、右手で私の頭を支え、左手は腰に回したまま動く事はない。


唇の形をなぞる様に啄んでいた口付け…
唇に固い感触がしたかと思うと唇を甘噛みされた。


「くぅんっ…」

突然与えられた異質な感覚に思わず声が洩れた…


「やっと鳴いた…」

声を上げた私を、敦士さんは嬉しそうに見つめて、唇を甘噛みするといった行為を繰り返した。



「ふっんっ…」

下唇に触れる固い刺激と同時に、上唇に触れる柔らかな感覚…


唇がこんなにも感じるなんて知らなかった…



敦士さんは 唇だけを愛撫するように
何度も唇を重ねた…

「はぁっ…」

もどかしい唇への愛撫に吐息がもれると、頭を支えていた手が、口の端から口内に滑り込んだ。

敦士さんの腕に拘束される様に頭を固定されたまま、口内を長い指が動き回る…

「ふぁ…んっ…」


顔を横に向けさせられると、敦士さんの指は更に奥まで侵入してくる…

「はぁっ…くぅん…」

指は喉の奥まで差し込まれて…

苦しくて…

涙が溢れた。


涙を流す私を、忍さんがじっと見つめてた。




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