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籠の鳥
第6章 長い夜…
夕方…

その日は、要さんじゃなくて 匠さんが食事を持って来てくれた。


「あれ?要さんは?」

なんとなく、
ホントに理由なんて無かったんだけど【いつもと違う】出来事に不安を感じたのかも?


匠さんは、ニッコリ笑いながら「要は 忍兄の用事で手が離せないんだ」

そう 教えてくれた。



何か変?

要さんが都合の悪い時は 瑞紀さんが持ってきてくれてたのに…




「なに変な顔してるの?」


【いつもと違う】出来事に戸惑っていた私の頬を、テーブルに食事を置いた匠さんがプニッと摘まんだ。


「いひゃい」

むにょっと歪んだ顔を見て匠さんが笑い声をあげる。


「たまには お姫様と食事をしようと思ってね。ダメ?」


見惚れてしまう程綺麗な顔が目の前にあって ドキドキしてしまう…


ダメじゃ無いけど…

とりあえず、手を離してくれないかな?

「あにょ…」


【あの~っ】て 言ったつもりが…


匠さんは、私の頬から手を離すと 座り込むように笑いだした。


「くくっ お姫様、可愛いすぎるっ ぷぷっ…【あにょ】だって… くくくっ…ダメっツボッた。」



匠さんは、暫く笑ってた。


匠さんのせいなのにっ(T^T)
そんなに 笑わなくったっていいじゃん。


少し不機嫌な私に気付いた匠さんは 居住まいを正すと、ダイニングテーブルまでエスコートしてくれる。



時々、思い出し笑いしてたけど 二人でゆっくり食事を楽しんだ。







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