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人妻愛人契約
第6章 移りゆく季節の中で~冬、クリスマスベビー
12月に入ると、コスプレフェスティバルが来年の8月に開催されることが正式に決まった。希実は旅行会社や広告代理店との打ち合わせのため、東京に行くことが多くなった。だいたいは日帰りだったが、まれに泊まりになることもあった。
その日、祐樹はシステムテストの打ち合わせに星奈を連れてサンガへと出かけた。玄関を入ると、タイミング悪くロビーに善一がいる。これから出かけるところのようだ。祐樹は、咄嗟に目を逸らして避けようとしたが、善一のほうから「深田さん」と声を掛けてきた。しかたなく、「三河屋さん、こんにちは」と挨拶をした。
「システム開発のほうは順調ですか?」
何が面白いのか、善一はニコニコ笑っている。
「ええ、順調にいってます。年明けには、試験に入れると思います」
「そうですか。よろしく頼みますよ。ところで、希実さんは、今日はご在宅ですか?」
「いえ、東京に出張に出てます。コスプレフェスの件で、広告代理店の人と打ち合わせがあると言ってました」
「そうでしたか。それはご苦労さまです。いや例の契約も12月の回が終わってしまって、今年はもう会う予定がないもんですから、後で顔を見に良泉館に寄ろうかと思ってたんですが……。いないんじゃ、しょうがないですね。東京へはよく行かれるんですか?」
「最近は週に1回は行ってます」
「そんなに!」善一は驚いたように大きな声を出した。「それは申し訳ありませんね。そんなに忙しくちゃ、ゆっくり子作りしている暇なんてないでしょう」
「はあ? どういう意味ですか?」
「いえ、この間、希実さんが、子どもが欲しいと言ってたもんですからね。毎晩、祐樹さんと精を出されているかと思いましてね」
善一は、淫靡に目を細め、祐樹の顔を覗き込んできた。
またか。いつもの下品な会話に祐樹はうんざりするように顔を顰めた。
「まあ、子は天からの授かりもの。そのうちできますよ。せいぜい頑張ってください」
善一は、ガハハハと笑うと、それでは、と玄関から出ていった。
その日、祐樹はシステムテストの打ち合わせに星奈を連れてサンガへと出かけた。玄関を入ると、タイミング悪くロビーに善一がいる。これから出かけるところのようだ。祐樹は、咄嗟に目を逸らして避けようとしたが、善一のほうから「深田さん」と声を掛けてきた。しかたなく、「三河屋さん、こんにちは」と挨拶をした。
「システム開発のほうは順調ですか?」
何が面白いのか、善一はニコニコ笑っている。
「ええ、順調にいってます。年明けには、試験に入れると思います」
「そうですか。よろしく頼みますよ。ところで、希実さんは、今日はご在宅ですか?」
「いえ、東京に出張に出てます。コスプレフェスの件で、広告代理店の人と打ち合わせがあると言ってました」
「そうでしたか。それはご苦労さまです。いや例の契約も12月の回が終わってしまって、今年はもう会う予定がないもんですから、後で顔を見に良泉館に寄ろうかと思ってたんですが……。いないんじゃ、しょうがないですね。東京へはよく行かれるんですか?」
「最近は週に1回は行ってます」
「そんなに!」善一は驚いたように大きな声を出した。「それは申し訳ありませんね。そんなに忙しくちゃ、ゆっくり子作りしている暇なんてないでしょう」
「はあ? どういう意味ですか?」
「いえ、この間、希実さんが、子どもが欲しいと言ってたもんですからね。毎晩、祐樹さんと精を出されているかと思いましてね」
善一は、淫靡に目を細め、祐樹の顔を覗き込んできた。
またか。いつもの下品な会話に祐樹はうんざりするように顔を顰めた。
「まあ、子は天からの授かりもの。そのうちできますよ。せいぜい頑張ってください」
善一は、ガハハハと笑うと、それでは、と玄関から出ていった。