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人妻愛人契約
第7章 移りゆく季節の中で~春、パンドラの箱
年末年始の繁忙期が過ぎた1月中旬、旅館組合の新年会が行われる。今年は、三河屋グループの1つ、ホテル清流園で開催されることになった。

希実は、新春らしい濃い桜色の地に季節の草花が躍動的に意匠された訪問着に袖を通し、華やかな金の帯を締めた。祐樹は、いつも通り紺のスーツを着て出かけた。

おそらく東ノ沢温泉では一番広い宴会場だろう。立食形式で用意されたバンケットルームには、500名くらいの人が集まっていた。女将さんたちは、みんな競うように華やかな着物を着ている。旦那衆は、年配の人は和服だが、若い人は祐樹と同じスーツを着ている人がほとんどだった。

「お集まりの皆さん、遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます」

前方のステージに立った善一の挨拶で会は始まった。善一は、自身が見た初夢について話したあと、今年の旅館組合の挑戦として、コスプレフェスティバルについて触れた。

「ようやく東京の広告代理店や旅行会社との話がまとまり、8月に開催することになりました。このイベントを通じて、東ノ沢温泉を若い人たちにも知ってもらい、多くのお客さんに来ていただきたいと思っています。皆さんのご協力、ご支援をよろしくお願いします」

会場から拍手が起こった。希実が熱心に取り組んでいることもあり、みんなこのイベントのことは知っているし、期待も大きいに違いない。

「ありがとうございます。せっかくですから、このイベントを担当してもらっている広報室長の深田希実さんにご挨拶をしてもらいましょう。急で恐縮ですが、深田さん、お願いできますか」

ステージの上から善一が微笑みながら、希実に手を差し伸べた。

祐樹の隣にいた希実は、突然の振りに驚いたように目を丸くしていたが、周りから一斉に拍手が起こると、

「もう、しかたないわね」と小声で言って、ハニカミながら善一の手を取り、壇上へと上がった。
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