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人妻愛人契約
第1章 10億の借金
三人で話し合った結果、社長の祐樹が善一に連絡することになった。根っからの理系人間で人と話すことが得意でない祐樹は、緊張した面持ちで事務所の電話を取り上げると、恐る恐る三河屋の番号を押した。
幸い善一は事務所にいた。
「何の用ですか?」
威圧するような野太い声が受話器から聞こえてきた。
「ご相談したいことがあるんです。実は――」
祐樹は、額に汗を流し、しどろもどろになりながら用件を話した。
「4000万ですか。大金ですね」電話の向こうで善一が唸った。「お役に立てないことはないですが、貸したとして返済できるあてはあるんですか?」
「それはもちろん、以前のように温泉が出るようになれば――」
祐樹は説明しようとしたが、善一に遮られた。
「こう言っては失礼ですが、旅館の経営に関しては、深田さんは素人だ。どうでしょう、この話、希実さんと一度話してみたいのですが、希実さんにウチに来てもらうことはできますかね」
隣で聞き耳を立てていた希実の顔を見ると、希実はコクリと頷いた。
「わかりました。大丈夫です。希実を行かせます。時間は……明日の10時、旅館組合のほうですね……はい……はい……わかりました。それではよろしくお願いします」
受話器を置くと、祐樹は、ふう、と大きなため息をついた。
「あのエロおやじ、祐樹のことを素人なんてバカにして。頭に来ちゃう」
希実が口を尖らせた。
「仕方ないよ、本当のことだから。話を聞いてくれるだけでもありがたいと思わなくちゃ」
「それは、そうだけど……」
希実はまだ不満そうだったが、慎吾が、
「女将、いずれにせよ、明日が勝負です。がんばってください」と言うと、いつものキリッとした顔に戻り、
「わかってるって。待ってろよ、エロおやじ。目にもの見せてやる」
空中に向かってワンツー・パンチを放った。
幸い善一は事務所にいた。
「何の用ですか?」
威圧するような野太い声が受話器から聞こえてきた。
「ご相談したいことがあるんです。実は――」
祐樹は、額に汗を流し、しどろもどろになりながら用件を話した。
「4000万ですか。大金ですね」電話の向こうで善一が唸った。「お役に立てないことはないですが、貸したとして返済できるあてはあるんですか?」
「それはもちろん、以前のように温泉が出るようになれば――」
祐樹は説明しようとしたが、善一に遮られた。
「こう言っては失礼ですが、旅館の経営に関しては、深田さんは素人だ。どうでしょう、この話、希実さんと一度話してみたいのですが、希実さんにウチに来てもらうことはできますかね」
隣で聞き耳を立てていた希実の顔を見ると、希実はコクリと頷いた。
「わかりました。大丈夫です。希実を行かせます。時間は……明日の10時、旅館組合のほうですね……はい……はい……わかりました。それではよろしくお願いします」
受話器を置くと、祐樹は、ふう、と大きなため息をついた。
「あのエロおやじ、祐樹のことを素人なんてバカにして。頭に来ちゃう」
希実が口を尖らせた。
「仕方ないよ、本当のことだから。話を聞いてくれるだけでもありがたいと思わなくちゃ」
「それは、そうだけど……」
希実はまだ不満そうだったが、慎吾が、
「女将、いずれにせよ、明日が勝負です。がんばってください」と言うと、いつものキリッとした顔に戻り、
「わかってるって。待ってろよ、エロおやじ。目にもの見せてやる」
空中に向かってワンツー・パンチを放った。