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第8章 あの夜の出来事

口を動かしたまま、善一が中指の先っぽを希実の秘穴に押し当てた。

「いやッ……」

希実は腰を左右に振って逃げようとした。しかし、善一は太腿をがっしり掴んで逃さない。舌でレロレロと敏感な肉芽を舐めながら、ゆっくりと指を希実の体内深くへと差し込んでいく。

「うううッ……」

第二関節くらいまで挿入したところで、ピストン運動を開始した。挿入する角度や強さを微妙に変え、女肉の反応を楽しみながら、ゆっくりと、じっくりと動かしている。

「ん、んんッ……」

希実は腰をのたうたせ、よがりはじめた。充血した花弁の奥から次々と愛液を吐き出し、善一の手を濡らしていく。股間から湿った粘りつくような水音が聞こえてくる。

ハァハァハァ。吐息もどんどん熱くなっていく。

「そこはダメっ！」

希実が突然悲鳴を上げた。整った顔を苦しそうに歪め、腰を捻っている。

すると善一は、ここぞとばかりに舌と手の動きを激しくした。

「ん、ん、んんん――ッ」

希実が眉を八の字にして背中をのけ反らした。腰をブルブルと揺する。

希実は、イクのをどうにか堪えているという状態だった。

いや、違う。善一がイカせないようにコントロールしているのだ。希実がイキそうになると、善一は動きを抑えている。

祐樹は善一の淫らなテクニックに舌を巻いた。

「もういいでしょう」

ようやく善一が指を抜いたときには、希実はさっきまでの強気な態度が嘘のように息も絶え絶えの状態になっていた。

「ハァハァハァ……」

額に汗を浮かべ、熱い息を吐いている。そんな希実の艶めかしい顔を善一は細い目をさらに細めて見ていた。