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人妻愛人契約
第9章 恋人たちの思い出~夏、浴びせられた欲望
その夜、祐樹は誰もいない事務所に行き、パソコンの前に座った。希実も愛未もいないのは幸いだった。ゆっくり動画を見ることができる。

既に股間のモノは期待するように硬くなっている。昼間たくさん出しているから、もう出すことはないかも知れない。それでも念のためズボンとパンツは脱いだ。ティッシュも側に用意した。準備は万全だ。

祐樹は音が漏れないようヘッドフォンをつけてから、外付けハードディスクを接続し、コピーしたフォルダを開いた。

動画は全部で11個あった。

「古いやつから順番に見たほうがいいな」

二番目のファイルをクリックする。5月の動画だ。

善一の部屋で見た動画と同じようにヘッドフォンからクライスラーの「愛の悲しみ」が流れてきた。どうやらどの動画もオープニングは同じようだ。

この曲をどうして善一は選んだのだろうか。

祐樹が見たアニメで、主人公の恋人がよく弾いていた曲。自分がいなくなっても主人公には強く生きて欲しいという願いを込めて。

善一は自分のことをゲーマーだと言っていたが、アニメに詳しいとは言ってなかった。おそらく祐樹が見たアニメのことは知らないだろう。有名な曲だし、単純にこの曲が好きだから選んだのだと思う。

それがわかっていても、祐樹には自分に対する善一からのメッセージのように思えて仕方なかった。希実が祐樹の前からいなくなるというメッセージに――。

美しい曲を聞きながら、祐樹は心がざわめき、苦しくなるのを感じた。

画面にタイトルが現れた。

Lovers Memory -Nozomi- Chapter2

恋人たちの思い出 希実 第二章。このタイトルも祐樹の感情を逆なでた。最初の動画を見てからはなおさらだ。善一と希実が恋人どうしなんて、そんなことがあるわけないとは言い切れなくなっている。不安が煽られる。

まずは真実を知ることだ――。祐樹は画面に意識を集中した。

タイトルと音楽が徐々にフェードアウトしていく。

そして画面が一瞬暗くなり、本編が始まった――。
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