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人妻愛人契約
第13章 奪還
先に口を開いたのは善一だった。
「確かに希実さんに無断で撮ったのは申し訳なかったですが、私の映像はあくまでもプライベートで撮ったものです。撮影した場所もすべて私の家の中。しかも、撮った映像はどこにもオープンにしていません。それを使って誰かを脅したこともない。それで果たして罪に問われますかね。それに対して人の動画をコピーして勝手に持ち出したのは明らかに窃盗。立派な犯罪です。私が警察に届けたら、深田さん、あなたはどうなりますかね」
祐樹の眉がぴくっと動いた。善一は続けた。
「深田さん、ここはお互い考えものですよ。騒ぎを起こして温泉街の評判を落としてもつまりません。どうでしょう、何も見なかったことにしませんか」
「見なかったことに?」
「そうです。私もあなたも何も見なかった。もちろん警察に届けることもしない。それで水に流そうじゃありませんか」
祐樹はしばらく考えたあと、いいでしょう、と言った。忸怩たる思いはあるが、自分にも非がない訳ではない。それに元々祐樹に警察に訴える気はなかった。希実と善一の関係が世間に明らかになり、希実が好奇の目で見られのは避けたかったからだ。
「警察には届けないでおきましょう。その代わりにパソコンにある希実の動画はすべて削除してください。僕の動画も」
「いいでしょう。それで手を打ちましょう」
善一は頷いた。
「あと、今後、希実には近づかないでいただきたい」
「旅館組合の仕事はどうするんですか?」
「広報室長は辞めさせます」
「そうですか。もうすぐコスプレフェスがあるのに残念ですね」
「僕も残念ですが、しかたありません」
「わかりました。他のものに引き継ぐようにしましょう」
善一は、あっさりと承諾した。
「それでは、これで」
祐樹は立ち上がり、部屋を出ようとした。その背中に向かって、
「そうそう、深田さん」善一が声をかけた。
ドアノブに手をかけたまま祐樹は振り返った。
「何ですか」
「一つだけ忠告しておきますが、身体に刻まれた快楽の記憶というものは、なかなか消えないものですよ。それが強ければ強いほどね」
ガハハハ。善一は笑った。
「チッ」
祐樹は部屋を出ると、思い切り力を込めてドアを閉めた。
「確かに希実さんに無断で撮ったのは申し訳なかったですが、私の映像はあくまでもプライベートで撮ったものです。撮影した場所もすべて私の家の中。しかも、撮った映像はどこにもオープンにしていません。それを使って誰かを脅したこともない。それで果たして罪に問われますかね。それに対して人の動画をコピーして勝手に持ち出したのは明らかに窃盗。立派な犯罪です。私が警察に届けたら、深田さん、あなたはどうなりますかね」
祐樹の眉がぴくっと動いた。善一は続けた。
「深田さん、ここはお互い考えものですよ。騒ぎを起こして温泉街の評判を落としてもつまりません。どうでしょう、何も見なかったことにしませんか」
「見なかったことに?」
「そうです。私もあなたも何も見なかった。もちろん警察に届けることもしない。それで水に流そうじゃありませんか」
祐樹はしばらく考えたあと、いいでしょう、と言った。忸怩たる思いはあるが、自分にも非がない訳ではない。それに元々祐樹に警察に訴える気はなかった。希実と善一の関係が世間に明らかになり、希実が好奇の目で見られのは避けたかったからだ。
「警察には届けないでおきましょう。その代わりにパソコンにある希実の動画はすべて削除してください。僕の動画も」
「いいでしょう。それで手を打ちましょう」
善一は頷いた。
「あと、今後、希実には近づかないでいただきたい」
「旅館組合の仕事はどうするんですか?」
「広報室長は辞めさせます」
「そうですか。もうすぐコスプレフェスがあるのに残念ですね」
「僕も残念ですが、しかたありません」
「わかりました。他のものに引き継ぐようにしましょう」
善一は、あっさりと承諾した。
「それでは、これで」
祐樹は立ち上がり、部屋を出ようとした。その背中に向かって、
「そうそう、深田さん」善一が声をかけた。
ドアノブに手をかけたまま祐樹は振り返った。
「何ですか」
「一つだけ忠告しておきますが、身体に刻まれた快楽の記憶というものは、なかなか消えないものですよ。それが強ければ強いほどね」
ガハハハ。善一は笑った。
「チッ」
祐樹は部屋を出ると、思い切り力を込めてドアを閉めた。