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人妻愛人契約
第13章 奪還
三日後、祐樹は一人でサンガへ行き、善一と対峙した。

「確かに5000万円は返してもらいました。口座を確認しました」

苦み切った表情で善一は言った。

「これで愛人契約も終わりですね」

「まあ、そういうことですね」

「この際ですから、三河屋さんには、いろいろ言っておきたいことがあります」

「何でしょうか。私にも深田さんに言いたいことがあるんですが……。まずそちらから先に言ってください」

「希実との行為を盗撮してましたね。あれは立派な犯罪です」

祐樹は身体をグイッと前に出した。

「そのことですか。確かに無断で撮影したのは申し訳ありませでした」

悪びれる風もなく、善一は言った。

まったく反省している様子はない。祐樹は、カチンときたが、老練な経営者の善一のことだ。ここで怒りを爆発させれば、相手のペースに乗せられてしまうのは間違いない。

込み上げてくる怒りをぐっと抑え、

「警察に届けますから」と表情を変えずに告げた。

「警察に? それはやめたほうがいいと思いますよ、ご自分の身のために」

「どういうことですか?」

「これを見てください」

善一は祐樹に向かってスマホを差し出した。画面に動画が映っている。

それを見た祐樹が、あっ、と声を上げた。祐樹が映っていたからだ。パソコンの前に座り、画面を見ながら硬くなった股間のモノをしごいていた。

「こんなものを撮って! 何がしたいんですか! 僕を脅す気ですか!?」

思わず祐樹は怒鳴った。

「脅すなんてとんでもない。別に撮りたくて撮ったわけじゃありませんから。防犯カメラを確認したら映ってただけです」

「防犯カメラ?」

「ええ、私の部屋に付けてあった防犯カメラにね。私のパソコンからファイルを盗んだ人間がいるんですよ。動画ファイルを。ログを解析したんで、犯人の検討はついてるんですが、念のため防犯カメラの映像を見たら、これが映ってたんです」

善一はニヤリと笑った。

「うっ――」

祐樹は言葉に詰まった。そのまましばらく二人の睨み合いが続いた。
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