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人妻愛人契約
第2章 三河屋
「最低だね」祐樹は、完全にあきれて、それ以上何も言う気がなくなり話題を変えた。「それで契約のほうはどうなったの? ちゃんとできたの?」
希実は真顔に戻り、大きく頷いた。
「あいつ、泣きそうな顔になってたけど、わかりました、それで結構ですってはっきり言ったわ。早速、お金の手配をするって。それとお客さんも少し廻してくれるって言ってた」
「そうか。話はついたか」
「うん」
祐樹は、ソファに身体を沈み込ませると、ふう、と大きなため息をついた。喜んでいいのか、悲しんでいいのか、複雑な心境だった。やんわりと胸が締め付けられる。なんともやるせない気持ちになった。
そんな心の状態が顔にも現れたのか、希実が不安そうに祐樹の顔を見つめている。それに気づいた祐樹は、しっかりしろ、と自分の心に発破をかけると、希実に向かって微笑んだ。
「がんばったね」
祐樹の言葉を待っていたのだろう。希実は瞳を潤ませながら微笑み返してきた。
「うん、がんばったよ、わたし」
そのまま二人は黙り込んだ。窓の外で風が山の木を揺らす音だけが聞こえてきた。
希実は真顔に戻り、大きく頷いた。
「あいつ、泣きそうな顔になってたけど、わかりました、それで結構ですってはっきり言ったわ。早速、お金の手配をするって。それとお客さんも少し廻してくれるって言ってた」
「そうか。話はついたか」
「うん」
祐樹は、ソファに身体を沈み込ませると、ふう、と大きなため息をついた。喜んでいいのか、悲しんでいいのか、複雑な心境だった。やんわりと胸が締め付けられる。なんともやるせない気持ちになった。
そんな心の状態が顔にも現れたのか、希実が不安そうに祐樹の顔を見つめている。それに気づいた祐樹は、しっかりしろ、と自分の心に発破をかけると、希実に向かって微笑んだ。
「がんばったね」
祐樹の言葉を待っていたのだろう。希実は瞳を潤ませながら微笑み返してきた。
「うん、がんばったよ、わたし」
そのまま二人は黙り込んだ。窓の外で風が山の木を揺らす音だけが聞こえてきた。