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人妻愛人契約
第14章 消せない記憶
希実は眉間に皺をよせ、祐樹の手元を見たあと、祐樹の後ろにあるモニターに目を向けた。

祐樹は慌てて身体を廻し、画面を消そうとしたが、希実のほうが早かった。

「何を見てるの? 見せて!」

マウスを取り上げると、画面に流れている動画を確認した。顔が険しくなっていく。

希実は動画を止めた。

「どういうこと?」

祐樹を睨んだ。

「どういうことって、三河屋さんが撮った動画だよ」

「消さないで取っておいたの?」

祐樹は頷いた。

「こんなもの、どうして――」

「………………」

希実に問われたが、祐樹は答えられなかった。

「それで、これを見て、自分でしてたっていうわけ?」

「………………」

「こんなことして恥ずかしくないの? みんな祐樹のこと、心配してるんだよ」

「心配してる?」

「そうよ。慎さんが教えてくれたのよ。祐樹が毎晩事務所にこもってるって。あれじゃあ、身体を壊しちゃうから、女将さん、一度様子を見てくれませんかってね」

「慎さんが、そんなことを……」

希実は頷いた。

「目を覚ましたら、布団の中にいなかったら、もしかしたらと思って様子を見に来たの。システム会社のほうが大変なんじゃないかと思ってた。大変なら手伝ってあげなくちゃって思ってた。それなのに、まさかこんなことをしてるなんて……」

何も言い返すことが出来なかった。

「ごめん」

祐樹は、うな垂れた。
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