この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
人妻愛人契約
第4章 移りゆく季節の中で~夏、悪い夢
温泉の修理が終わり、良泉館は再スタートを切った。

その初日、頼みもしないのに善一は、手伝う、と言ってサンガの社員を2人連れてやって来た。自社のバスを使って、湯めぐりの客を温泉街の中心から良泉館に送迎するという。

「しっかり稼いでお金を返してもらわないといけないですからね」

そう言って善一はガハハハと笑った。

「ありがとうございます。助かります」

希実は丁寧に頭を下げた。

病み上がりの慎吾も出てきて、事務所全体を見渡せる神棚の隣にふくろうの置物を置いた。

「商売繁盛の縁起物ですからね」

久しぶりに笑顔を見せた。

せっかくだから、と希実の提案で始業前に従業員全員で集まることになった。

祐樹は、こういうことが苦手だったが、社長だからしかたがない。しどろもどろに「今日から良泉館は再スタートします。がんばりましょう」と挨拶した。次に慎吾が「しっかりやりましょう」とみんなに発破をかけた。

そして希実。薄浅黄色に小花模様をあしらった着物を身に着け、スッと立った姿は、気品があり、とても美しかった。

希実は、良泉館についての幼い頃の思い出を話した。慎吾や古くからの従業員の名前を一人ひとり上げて、簡単なエピソードに感謝の言葉を添えていく。慎吾は目を腕で隠して泣いていた。最後に、

「ここにいる全員の話をしたいけど、時間がないからやめるね。でも、本当に皆さんには感謝しています。今日一日だけではなく、これからもずっと、祐樹のこと、わたしのこと、そして愛未のことを支えてください」と言って頭を下げたあと、「明るく、元気に、楽しく仕事をしていきましょう。いくぞー!」と右手の拳を突き上げた。希実らしい明るい挨拶だった。
/346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ