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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第11章 入浴シーンで全裸に
「けっこうな枚数を撮りましたよ
ビーチでの撮影はこの辺でいいんじゃないですかね?」
カメラマンは予定枚数をクリアしたこともあって、
そろそろビーチから引き上げてはどうかと提案した。
予定枚数を撮り終えたこともそうだが、
少々、空模様が怪しくなってきたのだ。
沖合いの真っ黒な雲が急速にビーチに向かってきているのがわかった。
大事な機材を突然の雨でお釈迦にはしたくなかったので、彼的には一刻も早くこの場を立ち去って屋内に移動したかった。
「そうだな…それじゃあ撤収するかな」
撮影隊のリーダーがみんなに撤収準備を促すのと同時にパラパラと雨が落ちてきた。
「今日一日、快晴の予報だったんじゃないのかよ」
忌々しそうに曇ってきた空を見上げながら
リーダーの男はブツブツと小言を言った。
「どうやら近海で発生した台風が急激に発達してこちらに向かってきているみたいです」
アシスタントの男がネットの気象情報を確認しながら「これ、飛行機は飛ぶんですかね?」と心配げに表情を曇らせた。
「そんなに大型の台風でもないようですし
欠航にはならないでしょ
それよりも、どうせ屋内に移動するのなら
彼女の入浴シーンなんてのはどうですか?」
波打ち際から上がってきた圭子にバスローブを羽織らせながら、浅香がそのように提案した。
「うちの別荘は元々観光ホテルだったものですから、大浴場も完備してますし、いい写真が撮れると思いますよ」
「そうだな…帰りの飛行機まで時間はたっぷりとあるし、入浴シーンなんてのも面白そうだな」
時折、風が強くなって砂浜の砂が舞い上がって
痛いほどに顔に砂を浴びながら「別荘に戻るぞ!」と撮影隊のリーダーはみんなに撤収を急がせた。