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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第12章 嵐の夜

風雨がかなり強くなってきた。
嵐のせいでネット環境が悪くなったのか
スマホで天気予報を見ることさえ出来ない。

「こりゃ、明日も飛行機が飛ばないかもな…」

カメラマンの男は焦っていた。
撮影隊のメンバーはほとんどがアルバイトで雇っているから、多少日程がずれても構わないのだろうが、彼はフリーのカメラマンで、このあとも撮影スケジュールは立て込んでいた。

撮影の日程を変えてもらわないとな…

スマホを取り出して東京の相手先に連絡を取りたいのだが、あいにくと電波状況さえ悪化してきたのか電話も不通となっていた。

『そうだ…確かダイニングに公衆電話が置かれていたよな』

すでに回線など切ってしまってオブジェとなっているのかもしれないが、淡い期待を込めて彼はダイニングルームへと降りていった。

すでにダイニングにはメンバーの人影もなく
ただ一人、メイドの幸恵一人がダイニングの窓のシャッターを降ろそうと悪戦苦闘していた。

「どうしました?シャッターが降りないのですか?」

女性が困り果てているのだ
声を掛けずにはいられなかった。

「ええ、そうなんです…
ずっとシャッターを閉めていてから錆び付いているのか、皆さんより先にこちらに到着したときも、シャッターを開けるのに苦労したんです
思えばあの時に滑車に油をさしておけばよかったのですけれど…」

「そんなものです
転ばぬ先の杖なんてその時は思ってみても
ついつい後回しにしてしまいますからね」

どれ、僕が閉めてあげましょう。

カメラマンが男の力で無理やりシャッターを閉めた。
男の彼でさえ難儀したのだから、幸恵一人では閉めることはままならなかったであろう。

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