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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第13章 帰京

深夜、シャッターを打ち付けていた風雨が急激に弱まり、台風一過と呼ぶに相応しい眩しいほどの朝日が東の空から降り注いだ。

浅香と撮影隊のリーダーは
仲良く手を繋ぎながら部屋を抜け出してダイニングへと降りていった。

そこには浅香家のいつもの朝のように
幸恵が忙しく動き回っていた。
ただ、浅香家の朝とは違って
ダイニングを忙しそうに動き回っているのが幸恵一人ではなかった。

「ねえ、人数分のお皿を出しておいていただけるかしら?」

幸恵が声を出すと「うん、わかったよ」と
なんとカメラマンの男が甲斐甲斐しく幸恵を手伝っていた。

「あ、おはようございます!」

幸恵が階段を降りてくる浅香と撮影隊のリーダーを見つけるといつも以上に明るい声を掛けてきた。

「おはよう」

幸恵の視線に気付く前にスッと手を離したつもりだけれど、もしかしたら仲良く手を繋いでいるところを見られたかもしれないと、浅香は、顔を茹でダコのように真っ赤にした。

「カメラマンさん、どういう風の吹きまわしだい?あんたが幸恵の手伝いをしているなんて」

「いえ、ただ単に腹が減って、一刻も早く朝食にありつきたいだけですよ」

そんなことを言いながら
チラッとカメラマンの男は幸恵の顔を見てニッコリと微笑んだ。
幸恵も彼の視線を受けて「待っててね、急いで用意をしますから」と
こちらもメイドというよりは新妻のように、はにかんだ笑顔を彼に送った。

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