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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第15章 青天の霹靂
何もかもイヤになって
自暴自棄でカメラマンの助手だった浩と同棲を始めた圭子…
食費も何もかもシェアすることで
生活費も折半になって助かるかと思いきや
想像以上に浩の稼ぎが少なく
まるでヒモを囲っているような感じだった。
『貯金…切り崩さないと…』
このまま浩と同棲していても
やがては生活が破綻し、
「愛している」の言葉だけでは生きていけないことはわかっていた。
何度も浩と別れて彼の部屋を飛び出そうとしたが、
それでも毎晩のように体を求められてエクスタシーを与えられてしまうと、別れるという意志が薄らぎ、このままでもいいかと思わずにはいられなかった。
その夜も生活費を切り詰めるために
インスタントラーメンを鍋で作り
二人で仲良く出来上がったラーメンをすすりあっていた。
「ねえ…今月の生活費の事なんだけど…」
「生活費?それがどうしたって言うのさ」
「今でも私の貯金を切り崩しているんだけど…
そろそろ残高が残りわずかなのよ」
「ふぅ~ん…それで?」
「それでじゃないわよ…
私もうバイトを増やせないわ
だから、浩もそろそろ定職を探して…」
「俺にカメラマンとしての道を捨てろって言うのかよ!
写真で生計を立てるのが俺の夢なんだ!
夢を捨てろって言うのかよ!!
生活費?そんなもの、グラビアを撮った時のギャラが振り込まれたんだろ?」
「そ、それが…」
最初の約束では二十万円の予定だったが、
青年誌の編集長から「あの写真はエロすぎてウチでは載せれない」と初日に撮影した浅香の別荘でのワンピース姿の写真しか採用されなかった。
だから予定していた金額の十分の一の二万円しか振り込まれなかった。