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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第15章 青天の霹靂
「お久しぶりね…
お元気にしてました?」
メイドの幸恵の部屋に案内されて
あまりにも殺風景な室内に圭子は驚いた。
「うふふ、殺風景な部屋だと驚いた?
実はね…私、浅香家からお暇(いとま)をもらうことにしたの
私、結婚するの。だから荷物のほとんどは結婚する相手のところに送ってしまったのよ」
「まあ!ご結婚を?
それはおめでとうございます」
「ありがとう…まあ、すぐに飽きられて捨てられるだろうけど、わずかな時間でもいいから愛する男と一緒にいたいのよ」
少し頬を染めながら
メイドの幸恵は嬉しそうに話した。
「今夜でよかったわ
明日になればこの屋敷を去ってしまうから
誰も応対に出てくれなかったかもよ」
そんなことを言いながら
「さあ、今夜はもう遅いわ。一緒に寝ましょ」
狭いけど我慢してねとシングルベッドに圭子を誘った。
「やっぱり人肌っていいわね」
ずっと一人で寝ていたものだから
明日からは明日からは愛する男とこうして温もりを感じながら眠れることを思ってメイドの幸恵はワクワクしていた。
もっとこっちにお寄りなさいな
そう言って圭子を抱きしめた幸恵は「あらっ?」と圭子の体から異性の香りがするのに気づいた。
「もしかして…あなた、男の人に抱かれてきたの?」
「すいません…やはり匂いますか?
やっぱり私、椅子で休ませてもらいますから」
ベッドを抜け出そうとする圭子をメイドの幸恵が引き止めた。
「ううん、かまわないわ
男性の残り香って好きよ」
そう言って、さらに強く圭子を抱きしめてきた。