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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第4章 木ノ下ディレクター

「木ノ下くん、おめでとう」

編成局長室に呼び出されて、
てっきり例のサブリミナル効果を狙った下半身映像についてやりすぎだと叱られると思ったが、呼び出されたのはその逆で、
早朝番組としては異例の1%もの視聴率を稼ぎだした事であった。

「いや、君のディレクターとしての敏腕を前々から気づいていたんだけどね、まさか、ここまでよくやってくれるとは思わなかったよ」

「いえいえ、私の力ではございません
あの、派遣の女が実に可愛くて
何気にファンも根付いたとか聞きますし…」

「謙遜しなくていいんだよ
彼女を見いだしたのも君の実力さ」

スポンサーの申し出が後を絶たないようで
テレビ局としてもウハウハなのだと編成局長は満面の笑みを浮かべた。

「これ、大した金額じゃないけど、奨励賞だ」

大層な紅白の熨斗(のし)をまとった封筒をそう言って差し出した。

「ありがとうございます!」

「くれぐれも、例の女の子だが…
他局に取られないようにしっかりと面倒を見てやってくださいね」

本当に編成局長の言う通りだと思った。
自社の女子アナでもないのだから
他局に引き抜かれれでもしたら一大事だ。
ここはひとつ、彼女に恩を売っておいて損はないなと
木ノ下は圭子を歓待することにした。

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