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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第4章 木ノ下ディレクター
「圭子ちゃん、この後、時間あるかい?」
いつも仏頂面の木ノ下ディレクターが
仏のような柔軟な顔で圭子にそう言った。
「いえ…特に用事はありませんが…」
スポンサー会社の「エロエロジャパン」の浅香からは
来週に新しい下着の試作品が出来るからモデルを頼むと言われてはいるが、今日のところは、掛け持ちのバイトもなく
帰って寝るだけだったのでスケジュールはまっ白だった。
「そうかい、そうかい、用事はないんだね?
どうだい?美味しいものでも食べに行かないか?」
「えっ?どういう風の吹きまわしですか?
ディレクターが食事に誘ってくれるなんて…」
「おいおい、そんな言い方はないだろ
俺は血も涙もない冷血漢だとでも思っていたのか?
同じ番組を作っていく同志じゃないか
たまには親睦を深めるのも悪くないだろ」
ちょっと気味が悪いけど、
美味しいものというワードには勝てなかった。
「じゃあ…少し仮眠を取りたいので
お昼過ぎでも構いませんか?」
「ゆっくりと休んでからでもいいよ
そうだ、どうせならディナーにしようじゃないか、
夕刻の6時に局まで来てくれるかい?」
「ありがとうございます
では、また、夕刻に…」
そのように告げて眠気が襲ってきたので
急いで自宅のアパートの部屋に戻ってベッドに寝転がると
たちまち、眠気に負けて圭子はぐっすりと眠った。