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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第6章 浅香夫妻
「こうして海岸を散策していると
やっぱりフィリピンって南国って感じよ」
還暦過ぎの妻の瑠璃子だが、
異国ということで解放感を感じているのだろうか
日本では真夏でも着用しないような露出の激しい服装で
暑い、暑いと連呼しながらも
解放感を満喫しているようだ。
「その衣装は少し露出が酷すぎるんじゃないか?」
いくら異国の解放感に染まっているからとはいえ、
還暦を過ぎた女性が着るような衣装ではなかった。
若い子の間ではヘソ出しルックが日本でも流行ってはいるが、
あれはピチピチの肌をした若い女の子が着るからこそ
色気もあってお洒落なのだが、
いくら異国で開放的になっているとはいえ、
還暦を過ぎた弛んだお腹を堂々と見せるのは如何なものかと
久はそれとなく注意した。
「何言ってんのよ
ショーツが見えるローライズのショートパンツを履いているのも
うちの会社の下着をアピールしているのよ
下着メーカーなんだから堂々とコマーシャルしなきゃ」
それは良いとしても
その格好は下着を見せるというより
尻の谷間まで見えているではないか。
これがもう30歳若ければ
エスコートする自分も鼻高々だが、
エロっぽさを通り越して年増が肌を露出させるのは
ピエロじゃないかと憤慨してしまう。
だが、今の会社がこうして成長できたのも
関係各位の男どもに抱かれて便宜を取り成してくれた妻のお陰なのだから、目くじらを立てて叱ることも出来なかった。