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官能能力者 あおい
第19章 ダブル♡デート 黒尽くめの二人
「最初、いいなって思ったのは入学式のときだった。式の始まりを待っているとき、彼はそっと文庫本を読んでいて、その横顔が良いなって思った。
私、陸上部なんだけど、もっと彼のことが知りたくて、ガラでもなく彼の入っている科学部に兼部で入って。上級生や先生に対しても筋道立ててきちんと物事が説明できて、すっごいなー、頭いいなーって。ますます好きになって。」
キーキーっと音を立てて彼女を乗せたブランコは揺れる。
「でも、じっと見ていたら分かったんだ。
彼はずっと、あおいを見ていた。
私、普段人のこと見ないから、もし好きじゃなかったら、彼があおいを見ていることなんかきっと気づかなかった。
でも、私、彼のこと見てたんだ。
だから分かっちゃったの。いっつも、彼の目はあおいを追っていた。」
「でも、あなたが林間学校のときに告白するように言ったって、あおいちゃんが・・・」
私は言う。
そうだ、この子が促さなければ、きっとあおいちゃんは委員長を意識することはなかったはずだ。
美結ちゃんは首を振る。
「私、ズルいんだ。
林間学校のとき、柏木があおいのことを見てる、って言ってみて、もしあおいが柏木の事何とも思ってなかったらラッキーって。
そう思っちゃったんだ。柏木があおいのこと好きでも、あおいにその気がなければ、もしかして私が・・・って。
本当に、最低なんだ・・・私」
美結ちゃんはぎゅっとブランコの鎖を握る手に力を込める。
「そんな・・・」
私はなんて言ってあげていいかわからなかった。
そんなことないよ・・・なんて、言ったって仕方がないことだろう。
「もう、あとは後に引けなくて、なんかよくわからないうちに、あおいと柏木をくっつけるようにくっつけるように動いちゃったんだ。
そして、今日も・・・今日も、こうして見に来たのは、
デートが上手くいかなければ・・・・なんて・・・」
ボロボロと涙を流す。
私、陸上部なんだけど、もっと彼のことが知りたくて、ガラでもなく彼の入っている科学部に兼部で入って。上級生や先生に対しても筋道立ててきちんと物事が説明できて、すっごいなー、頭いいなーって。ますます好きになって。」
キーキーっと音を立てて彼女を乗せたブランコは揺れる。
「でも、じっと見ていたら分かったんだ。
彼はずっと、あおいを見ていた。
私、普段人のこと見ないから、もし好きじゃなかったら、彼があおいを見ていることなんかきっと気づかなかった。
でも、私、彼のこと見てたんだ。
だから分かっちゃったの。いっつも、彼の目はあおいを追っていた。」
「でも、あなたが林間学校のときに告白するように言ったって、あおいちゃんが・・・」
私は言う。
そうだ、この子が促さなければ、きっとあおいちゃんは委員長を意識することはなかったはずだ。
美結ちゃんは首を振る。
「私、ズルいんだ。
林間学校のとき、柏木があおいのことを見てる、って言ってみて、もしあおいが柏木の事何とも思ってなかったらラッキーって。
そう思っちゃったんだ。柏木があおいのこと好きでも、あおいにその気がなければ、もしかして私が・・・って。
本当に、最低なんだ・・・私」
美結ちゃんはぎゅっとブランコの鎖を握る手に力を込める。
「そんな・・・」
私はなんて言ってあげていいかわからなかった。
そんなことないよ・・・なんて、言ったって仕方がないことだろう。
「もう、あとは後に引けなくて、なんかよくわからないうちに、あおいと柏木をくっつけるようにくっつけるように動いちゃったんだ。
そして、今日も・・・今日も、こうして見に来たのは、
デートが上手くいかなければ・・・・なんて・・・」
ボロボロと涙を流す。