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官能能力者 あおい
第20章 休日のあおいちゃん
「なるほどですね。合宿ですか・・・」
透子さんのトーンがやや落ち着いた。
「例年、ミステリー愛好会では引退する3年生が『ゲームマスター』になって、謎解きイベントをするんだそうです。謎ときっていうのは、ゲームマスターが部員のうち何人かを「犯人」「被害者」に指定してシナリオを渡しておいて、そのシナリオに沿って、合宿中に殺人事件が発生、誰が犯人役かを皆で推理する、っていう。そのとき、部員はゲストを連れてきて良いことになっているそうで。委員長が私を誘いたいって・・・」
最後の方は声が小さくなってしまう。
「行くべきです、万難を排して」
透子さんはキッパリと言う。
「何を迷ってるんですか!行くしかないですよね?なに?どうして?!行かないとか理解できません!!」
圧倒的熱量で身を乗り出してくるので、私は少し身体を引いてしまう。
「・・・なんか心の準備が・・・」
そう、委員長の彼女として隣に立ったり、委員長と間近でやり取りするのに、まだ慣れていないのだ。またぎこちなくなりそう・・・。
「いりません!そんな準備。行きなさい。絶対に!いかないと・・・」
耳元に顔を寄せてくる。
「この場でいかせるわよ♡」
小声で言う透子さんは、きっと本気だ。目がマジだ。
「分かりました・・・」
私は頷くしかなかった。そして、透子さんに促されるままにメッセージの返事を入力する。
「そうそう、ちゃんと、最後に『誘ってくれてありがとう。うれしかったよ』って。うん、そう、そこ大事よ」
そして、震える指で送信。
お、送ってしまった。
やや不安そうな顔で透子さんを見る。
「大丈夫よ。この間だって、すっごくいい感じだったじゃない!」
そうなのだ、この間のデートが楽しすぎて、素敵すぎて、あれが壊れるのがすごく怖い。
「だったら、委員長が、違う人と恋人になったりしてもいいの?
委員長が、あおいちゃん以外の子の事考えてお精子出しちゃってもよいの?」
言い方はともかく、それは嫌だ。
考えたくもない。
「だったら、進むべし。大丈夫!自信を持って!」
ね?と両手を取ってにっこり言われると、なんだかできそうな気がするから不思議だ。
こうして、私は委員長と一緒に夏合宿に参加することになった。
透子さんのトーンがやや落ち着いた。
「例年、ミステリー愛好会では引退する3年生が『ゲームマスター』になって、謎解きイベントをするんだそうです。謎ときっていうのは、ゲームマスターが部員のうち何人かを「犯人」「被害者」に指定してシナリオを渡しておいて、そのシナリオに沿って、合宿中に殺人事件が発生、誰が犯人役かを皆で推理する、っていう。そのとき、部員はゲストを連れてきて良いことになっているそうで。委員長が私を誘いたいって・・・」
最後の方は声が小さくなってしまう。
「行くべきです、万難を排して」
透子さんはキッパリと言う。
「何を迷ってるんですか!行くしかないですよね?なに?どうして?!行かないとか理解できません!!」
圧倒的熱量で身を乗り出してくるので、私は少し身体を引いてしまう。
「・・・なんか心の準備が・・・」
そう、委員長の彼女として隣に立ったり、委員長と間近でやり取りするのに、まだ慣れていないのだ。またぎこちなくなりそう・・・。
「いりません!そんな準備。行きなさい。絶対に!いかないと・・・」
耳元に顔を寄せてくる。
「この場でいかせるわよ♡」
小声で言う透子さんは、きっと本気だ。目がマジだ。
「分かりました・・・」
私は頷くしかなかった。そして、透子さんに促されるままにメッセージの返事を入力する。
「そうそう、ちゃんと、最後に『誘ってくれてありがとう。うれしかったよ』って。うん、そう、そこ大事よ」
そして、震える指で送信。
お、送ってしまった。
やや不安そうな顔で透子さんを見る。
「大丈夫よ。この間だって、すっごくいい感じだったじゃない!」
そうなのだ、この間のデートが楽しすぎて、素敵すぎて、あれが壊れるのがすごく怖い。
「だったら、委員長が、違う人と恋人になったりしてもいいの?
委員長が、あおいちゃん以外の子の事考えてお精子出しちゃってもよいの?」
言い方はともかく、それは嫌だ。
考えたくもない。
「だったら、進むべし。大丈夫!自信を持って!」
ね?と両手を取ってにっこり言われると、なんだかできそうな気がするから不思議だ。
こうして、私は委員長と一緒に夏合宿に参加することになった。