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官能能力者 あおい
第28章 えっちな合宿:彼女のジジョウ
ああ、やっと出られた・・・。
佐々木さんが部屋を出て、折木さんがクローゼットを開けてくれたお陰で、私達はやっとぎゅうぎゅう詰めから開放された。

「どういうつもりだ?」

委員長に先に言われてしまう。
そう、それ!
状況からして、折木さんは佐々木さんが部屋に来ることがわかっていたし、あの状況もむしろ折木さんから誘っていた。
私達にわざと見せつけたとしか思えないのだ。

しかし、なんのために?

昨日見られたからもういいやって?
そういうものではないだろうと思うのだが?

「さて?どうしてでしょう?」
折木さんはくるっと背を向けて窓際に歩み寄る。
まだ陰りがない午後の日差しに照らされて、逆光の中に佇む形だ。

「ちょうどいいよね。二人には、殺人事件の犯人探しの他に、もう一つのミステリ。
 さて、私はどうして、こんなことをしたでしょうか?」

人差し指を口元に当てる仕草。
「なっ・・・!」
委員長が言葉に詰まる。
そりゃそうだ。意味がわからない。

でも、でもでも!
折木さんの今の行動に対する疑問の他、私にはもう一つの思いがあった。

「折木さん!あ・・・あなた!身体・・・大事にしなきゃダメでしょう!」

そう、あんなに平気で中に射精させて!
そりゃ、私もちょっと・・・ほしいとか思っちゃったりしたけどさ。
それはそれ、これはこれだ。
言い始めると、止まらなくなった。

「女の子なんだから、自分の体、ちゃんとしなきゃ!」

折木さんはキョトンとしている。
そして、プッと吹き出して、笑い始めた。

え?なんかおかしなこと言ったかな?

「高島さんて面白いね。普通、この状況でそういう事、言う?
 いいわ・・・心配してくれたのね。それに免じて、ひとつヒントよ。
 高島さんの目かな?」
ふふっと笑う。
「ヒントはこれでおしまい。ちゃんと推理してくださいね?じゃあ!
 ち・な・み・に、私はもう、殺人犯人の方はわかっちゃいましたから」
そういって、ぐいっと私達を廊下に押し出してしまった。

あとに残された私達。
え?え?
何?なんだったの?今のは?

顔を見合わせる。

クローゼットの中では超絶えっちな気分だったのだが、今の折木さんとの会話で一気に冷めてしまった。
なんというか、「凄絶」とでもいうのだろうか?鬼気迫る感じがして、緊張すら覚えたのだ。
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