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官能能力者 あおい
第6章 林間学校で輪姦しないで
「心配かけてごめんね。運動会の時も保健室に連れて行ってくれたって聞いた。あ、ありがとう」

「いや、そんなことは・・・」
ついっと目をそらす。
その気になって見てみると、委員長も確かに私を意識している。
でも、他の人みたいに私に性感を送ってこない。

うううん?もしかして、視線で相手の妄想をキャッチする、っていうのが間違っているのかな?
それとも、委員長は私に触りたくないのかな?
うーん・・・

「柏木くんて、好きな子とかいるの?」
え?何聞いちゃってるの私?!
わたしのこと、どう考えているんだろう?どう聞いたら良いんだろう、直接は聞けないよね、などとグルグル考えていたら、1周回ってほとんど直接聞いているのと同じ様なことを聞いてしまった!!
「え?」
びっくりしたような目で私を見る。その顔が瞬く間に朱に染まる。
『だ、抱きしめたいよ・・・』
「え?何?」
思わず聞き返す。でも、委員長の口は動いていない。
それに、今の声は私の心の声だ。ってことは委員長が心の中で思っていること。

『かわいい!かわいい!我慢できない。あおいちゃん!あおいちゃん!あおいちゃん!
 すごい、いい匂いだよ。全部欲しい!今すぐ、何もかも、あおいちゃん!!大好きだ!』

堰を切ったように心に流れ込んでくる大音響のラブコール。
ええええ!!

『もうダメ。これ以上こんなに近くにいたら、あおいちゃんの匂いでどうにかなってしまう。ダメだ、ダメだ』

委員長がふと目をそらして、頭を軽く振る。

え?今のって?え?え!?

私は理解した。委員長・・・多分、すっごく私に触りたいんだ。でも、多分、ううん、きっと、すっごく大事に思ってくれてて、だから、思いの中でも手を出さないんだ。だから、言葉だけが溢れて溢れて、それで、こんなことに・・・。
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