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官能能力者 あおい
第6章 林間学校で輪姦しないで
でも、匂いって・・・。私ってそんなに匂う?
ボートを漕ぎながら、あまり大した話をしない二人。
でも、私の心のなかにはこれでもかってくらい、委員長の好きの気持ち(そして、ちょっとエロい気持ち)が注ぎ込まれてきた。
それだけで、胸がいっぱいだったし、心がホカホカにになった。
人から好かれるって、こんなにあったかいことなんだ・・・。

そして、岸に着く頃には、私も委員長を抱きしめたくてしょうがなくなっていた。
私のほうが、委員長の体を想像の中で触りまくってしまっていた。
もし、委員長が私と同じ能力の持ち主だったら、多分、すごく感じちゃったと思う。

そして、とうとう、ボートが岸についた。最初に委員長。そして、遠慮がちに手を伸ばしてくれる。私は手を取る。
委員長は、ぐいと引っ張り上げてくれる。力強い♡
そして・・・
「あ!」
多分、私の勢いが余ったんだと思う。手を引かれた勢いのまま、委員長に体ごとぶつかり、ちょっとだけだけど、きゅっと腕を回してしまう。
胸が意外とたくましい委員長の胸板に押し付けられる。耳の後ろにほのかに漂う、男の子っぽい体臭。すこし高めの体温。
多分0.8秒くらい。ばっと私は体を引き離した。
二人で、ゆでダコみたいに真っ赤になり、うつむく。

その横を何も気づかず通りすぎるバスケ。
ぐっと私にだけ握った拳を見せる明日香。
にまにまと私と委員長の顔を見ながら通り過ぎる美結。

う・・・なんか、なんか・・・
すっごく、気持ちよかった・・・
委員長の体・・・。

この後、私と委員長はほとんど口を利かないまま宿に戻った。
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