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官能能力者 あおい
第7章 ときめき♡キャンプファイアー
「だったら行け!スグ行け!後悔するな!命短し、恋せよ乙女だ!走ってでも助けに行こうとしたんだ。相手も絶対お前たちが好きなはずだ!行け!!行ってしまえ!!!」
美結は、ぼん!と私と明日香の背中を押す。
私達は二人揃って前にツンのめりそうになる。
「でも・・・」
明日香。
「そんなこといっても・・・」
私。
「四の五の言うな!よし、私が言ってきてやろう!!」
ずんずん進もうとする美結を私と明日香は慌てて止める。

「「待って、待って!!」」

そんなことされたらたまらん!
あーもーわかったよ!!

覚悟を決めて、私は目の前の同級生たちをかき分けていく。
委員長たちは宿舎を出て、夜の森に向かっている。
空には満天の星達。

まって、まって!

私は足を早める。
後ろから明日香もついてくる。
そして、とうとう委員長は目の前。

手を伸ばしかけて、ぐっと息を呑む。

『そうだよね。委員長・・・、私のこと・・・大好きだって・・・』

超能力のおかげでそれはわかっている。わかってるのだけど・・・、やっぱり怖い。
伸ばしかけた手が震える。
でも、その横で

「わ、渡邉くん!」

明日香が先に声を上げた。
「おう?」
バスケ君と委員長が振り返る。
今日の事件現場の四人が顔を合わせた形だ。
「遠山!もう大丈夫なのか?」
心配そうに明日香を見るバスケ君。こいつも優しいところがある。
「うん・・・」
顔を伏せている明日香。その明日香が両の手でバスケ君の手を取る。そして胸のところまで持ち上げる。少しうるるとした目で長身のバスケ君を見上げる明日香。
「渡邉くん・・・。助けに来てくれて、ありがとう。本当に・・・嬉しかった・・・」

ええええ!
なんと!あの明日香が。

周囲を歩いていた同級生たちはわっと二人を取り囲む。みんな、なんとなく今日あったことは聞いているようだ。そこに、このシチュエーション。思春期男女たちにはなんとも胸キュンな展開だろう。まるで映画みたいだ。

「おお!!」
「すげー!」
「渡邉!ヒーローじゃん!」
「ひゅーひゅー!!」

周囲は騒然。いつもなら照れてうつむいてしまう明日香も、なにか妙なテンションになっているのか、ぎゅっと掴んだ手を離さない。
むしろバスケ君の方が顔を真っ赤にしている。それでも、バスケ君、明日香の顔をじっと見て目をそらさない。
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