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月の裏で会いましょう-revised-
第9章 幽霊
「以舞さんと昴さんは、目元がよく似てますね」
名前で呼んでね、と言われたので、私は彼女を「以舞さん」と呼んだ。可憐な雰囲気を漂わせる彼女はどこか少女のようで、名前で呼ぶと近しい女友達のような気分になった。
「そうね。よく言われる。昴はこんな女みたいな顔、嫌いだってよく言ってる」
「それは子供の頃だろ」
昴は微笑んだあと、トイレ、と言って部屋を出て行った。
ふと沈黙が流れ、何を話そうか、と考えながら笑顔を向けた。
次の瞬間。以舞の視線が、凍り付いたようにドアに張り付いた。その怯えるような目に私はただならぬものを感じ、視線の先を追って振り返った。
名前で呼んでね、と言われたので、私は彼女を「以舞さん」と呼んだ。可憐な雰囲気を漂わせる彼女はどこか少女のようで、名前で呼ぶと近しい女友達のような気分になった。
「そうね。よく言われる。昴はこんな女みたいな顔、嫌いだってよく言ってる」
「それは子供の頃だろ」
昴は微笑んだあと、トイレ、と言って部屋を出て行った。
ふと沈黙が流れ、何を話そうか、と考えながら笑顔を向けた。
次の瞬間。以舞の視線が、凍り付いたようにドアに張り付いた。その怯えるような目に私はただならぬものを感じ、視線の先を追って振り返った。