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月の裏で会いましょう-revised-
第9章 幽霊
「それは、以舞さんに起こった話なんですか?」
「そう。あたし、話したことなかったかしら…あたしまだ十八歳だった。若すぎたの。どうにもならなかったのよ」
言葉を紡ぎながら次第に湿った震え声になった。そしてすべて言い終えると、声をあげて泣き始めた。両手で顔を覆い、ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返している。
スタッフに、取り乱してしまった以舞の状況を伝えると、医師に診てもらうから少し外して欲しいと言われ、庭に出た。