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月の裏で会いましょう-revised-
第9章 幽霊
「そう。知り合いのつてで、いい施設があるって紹介してもらって、東京から越してきた。あの倉庫はいま働いてる会社のもので、少しの間っていう約束で、家賃無しで間借りしてる」
そこまで話したところで、担当の医師である精神科医の四十代くらいの女性が庭に出てきた。
「お母さん、少し混乱してますね。今日はこのまま帰ってもらったほうがいいかな。あとは私が看るから。夜には落ち着きますよ」
見ず知らずの私が突然訪ねたせいで以舞を混乱させてしまったのではないか…そんな私の不安を察してか、医師は硬い表情ではあったが、凛々しい微笑みをみせてくれた。
そこまで話したところで、担当の医師である精神科医の四十代くらいの女性が庭に出てきた。
「お母さん、少し混乱してますね。今日はこのまま帰ってもらったほうがいいかな。あとは私が看るから。夜には落ち着きますよ」
見ず知らずの私が突然訪ねたせいで以舞を混乱させてしまったのではないか…そんな私の不安を察してか、医師は硬い表情ではあったが、凛々しい微笑みをみせてくれた。