パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第11章 どこへ

たしかに、以舞の一件はこたえた。見えないものに怯える様子には、私にまで恐怖が伝染するほど鬼気迫るものがあった。正直あのとき怖くなかったと言えば嘘になる。

それでも私はこの先も昴のそばに寄り添っていたい。私以上に恐怖を覚えたであろう昴を支えたいのだ。

でも、「支える」なんておこがましいのかもしれない。こんなふうに無理やり寄り添って世話を焼くおせっかいな年上彼女は、年下の昴にとっては重たくて面倒なだけだろう。

距離を置かれ、やがてはフラれたとしても無理のない話だ。

互いの身の上の複雑な事情を知れば、重たいものを受け止め、ともに背負うことになる。それが愛と言うのなら、絆と言うのなら、進んで背負いたい。私はそう思うけど、年下の昴も同じように思うかどうかは別の話なのだ。