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月の裏で会いましょう-revised-
第12章 以舞の足跡
昴は私をぎゅっと抱き返した。
「でも、それよりも強く思ったのがさ・・・咲良に会いたい、って。だから俺はあの男を殺さずに済んだ」
「昴」
「咲良、そばにいて。俺、レイプされた母さんの心の傷を、治してやらなくちゃ。レイプから三十年経つけど、誰もまだ、母さんのことを救ってないんだよ」
「そうだね。以舞さんの心を、誰かが救わなくちゃね」
腕の中の昴は、いつになく頼りなげだった。まるで小さな男の子を抱いているような錯覚がよぎる。母親を一心に思う昴が、愛おしくてたまらなくなった。
「でも、それよりも強く思ったのがさ・・・咲良に会いたい、って。だから俺はあの男を殺さずに済んだ」
「昴」
「咲良、そばにいて。俺、レイプされた母さんの心の傷を、治してやらなくちゃ。レイプから三十年経つけど、誰もまだ、母さんのことを救ってないんだよ」
「そうだね。以舞さんの心を、誰かが救わなくちゃね」
腕の中の昴は、いつになく頼りなげだった。まるで小さな男の子を抱いているような錯覚がよぎる。母親を一心に思う昴が、愛おしくてたまらなくなった。