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月の裏で会いましょう-revised-
第13章 追跡
昴は立ち上がって荒々しくシャツを着た。

「いまさらって何だよ。母さんは過去の記憶に怯えながら暮らしてきたんだぞ。なのにその夫は薄情に母さんを捨ててのんきに田舎暮らしだ。母さんは今も昔も、俺の方なんか見向きもしないで、流産した子供のことばっかり話す。俺の居場所はどこだ? どこにあるんだ? こんなふうに誰がしたんだ。レイプ犯が全部悪いだろ」

重苦しい声で昴は言って、冷蔵庫に向かった。

以舞が流産した子供の話ばかりを昴に聞かせていることを、私はこの時初めて知った。こんなにも母に尽くしているのに、以舞はその昴の姿を見てこなかったのだ。付き合って早々に、私を紹介したいと言って以舞のもとに連れていかれた理由がやっとわかった。昴は何とかして母に振り向いて欲しかったのかもしれない。
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