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月の裏で会いましょう-revised-
第2章 初めての夜
私は気障男のジャケットを脱がせ、Tシャツをめくり上げながら男に加勢したふりで言った。
「こんなチンピラの鼻血なんかがこの高級な服に着いたら大変。脱いで。さっさと負かして、戻ってきて」
「大丈夫。さっさと済ませるさ」
私の手で上半身裸にされた男は鼻で笑って見せると店の出口へ向かった。痩せているし、歳の割にお腹も出ていないけど、うっすらとついた皮下脂肪には艶がなかった。
「小僧、相手してやるよ」
気障男は、扉を開いて押さえていた金髪の彼を一瞥して通り過ぎ、ドアをくぐって外へ出て行く。
金髪の彼は、一緒に出て行くような姿勢を見せた。
が、翻って、男が店から出るなり、ドア閉めて鍵をかけた。ドアノブを後ろ手に握って店の方に向き直り、悪戯そうに舌を出す。
私はこらえきれずに吹き出した。