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月の裏で会いましょう-revised-
第2章 初めての夜
上半身裸で締め出された男が、外から叫んでドアを叩く。TAMARIBAは閑静な住宅街にあり、通りには地元の人が行き交う。渋谷界隈に住まう上品な人々の前で裸体を晒して慌てている男の様子が想像できた。
「おいっ、開けろっ」
打ち鳴らされるドアを背に、金髪の彼は体をよじって、声を殺して笑いこけている。そのやけに無邪気な笑い顔を見ているうちに、私もおかしくなって笑った。
情けない姿を街頭で晒す男を想像して、客のなかには、愉快そうに笑う客もいた。
マスターも笑いをかみ殺した顔で、気障男のスーツのジャケットとシャツを持って、裏口から出て行った。
「おいっ、開けろっ」
打ち鳴らされるドアを背に、金髪の彼は体をよじって、声を殺して笑いこけている。そのやけに無邪気な笑い顔を見ているうちに、私もおかしくなって笑った。
情けない姿を街頭で晒す男を想像して、客のなかには、愉快そうに笑う客もいた。
マスターも笑いをかみ殺した顔で、気障男のスーツのジャケットとシャツを持って、裏口から出て行った。