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月の裏で会いましょう-revised-
第21章 月の裏側へ(2)
「その夜のうちに、俺とその人は関係を持った。忘れられない夜だった。俺はこの人とずっと一緒にいようって、その時は思った」
昴の瞳が濡れて、光が揺れている。その目を見て、私は呼吸が浅くなるのを感じた。昴が女の体を抱くところを想像して、顔が熱くなる。ここが暗い場所でよかったとつくづく思った。
「それから、つきあうようになったの?」
「いや、朝になったら、その人は連絡先も教えてくれないまま、いなくなってた。俺、めちゃくちゃ悲しくてさ。がっかりしながら仕事に行った。そしたらさ、営業先にいたんだよ。その人が。運命だろ?」
「そうね」
胸が苦しくなった。