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月の裏で会いましょう-revised-
第21章 月の裏側へ(2)
「俺が家のごたごたでむしゃくしゃしてたときに、彼女とうまくいかなくなって、喧嘩して、そのあと、彼女が同僚と仲良く話してるところに遭遇してさ。
これ見よがしに他の男と仲良くするところを見せつけられて、腹が立って、俺から別れを切り出した。
でも、あとで彼女の行方を訪ねに行って、その同僚に聞いたら、彼女とはただの同期で、一切関係なんてなかったんだ。
俺、彼女のことになるとすぐ妬いて、行動がめちゃくちゃになる。そのくらい好きなんだ」
「早とちりで別れたのね…で、そのあとよりは戻ったの」
「いま、戻そうと必死んなってる途中」
「そっか。うまくいくといいね・・・。家族のごたごたって言うのは?」
「それがさ、彼女が俺の両親の間を取り持ってヨリを戻して、解決してくれたんだ」
「すごい・・・」
「彼女にさ、壊れた家族に捕らわれてないで、昴は昴の幸せを手に入れろって言われたんだ。だから今俺は、自分の幸せを追いかけてる」
「自分の幸せって?」
「その人と一緒にいること」