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月の裏で会いましょう-revised-
第6章 恋が始まる
「そりゃあ、ずっと一緒にいたい。でも、大事にしなくちゃ」
昴は言ってテーブルに缶を置き、私の腕を取る。ゆっくりと引いて、胸で私を抱き留めた。
「それに、咲良が酔うところが見れれば、俺、満足だから」
私のあごを指で掬って、ついばむようなキスをする。甘くてスパイシーなコーラの味の唇が触れた。
私だって、アルコールがなくても、このベルジャンホワイトがあれば、十分に酔えるのに。
昴の頬を両手で挟んで、茶色い瞳を覗き込んだ。その瞳のなかで、ランタンの小さな炎が揺れている。その温かみは昴の胸の奥からにじみ出ているものだと、強く実感する。優しくて、温かい、愛おしい生き物。