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私はまだ女でありたい
第1章 温泉
「あーあ。お母さん、私に家庭教師付けて。」

「いいわよ。」

夫から十分過ぎる養育費を貰っていたから、家庭教師を付けるのは何でもない事だった。


結月の家庭教師が来たのは、それから2週間後だった。

「涼と言います。宜しくお願い致します。」

綺麗な顔をした青年だった。

聞けば近くの大学に通っていると言う。

「宜しく。結月の事、大学に入れてあげてちょうだい。」

「任せて下さい。」

涼君の爽やかな笑顔に、私は任せてみることにした。

結月の成績は、どんどん上がって行った。

そして、それは結月の心も変化させていった。

「先生に、褒められたいの。」

ああ、この子は恋をしている。

そう思った。
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