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一夜限りでは終わりたくない
第2章 曖昧な関係
部屋に入って来た牧野は、長いハンガーラックにかなりの量の服を掛けて入って来た。
カラカラとハンガーラックを運びながら、私をチラリと横目で見た。
すると、そのまま口角を上げて妖しい笑みを浮かべた。
私は自分が今していた行為を見抜かれたような気分になり、顔が熱くなる。
「あれぇ…奈々ちゃん顔が赤いけどどうしたのかな?大丈夫?」
牧野がわざとらしく私に声を掛けた。
「だ…大丈夫です。何もありません。」
「ふぅーん」
牧野は片眉をあげて口角を上げた。
「奈々ちゃん、ここに持ってきた服は恐らくサイズもあっていると思うよ。これ全部を車に運ぶからね…靴とバックはそれぞれあったものを用意した…それと…翔也が喜びそうな下着も用意してあるからね。」
「こ…こんなにたくさんの服を頂くわけにはいきません。」
牧野は私の言葉を聞いても首を振るだけだった。